院長の自己紹介
    
上畠茂幸 1950年(昭和25年)生
       1972年 九州大学教育学部教育心理学科卒業
       1984年 鹿児島大学医学部卒業、九州大学心療内科入局
              済生会福岡総合病院・北九州医療センターなどでの
              内科(糖尿病などの生活習慣病)
              および心療内科臨床
       1991年 福間病院の心療内科部長
       2003年 福間病院を辞し、うえはた心療クリニック院長
       ( 1999年からは 済生会福岡総合病院の精神科非常勤医兼任)


       精神保健指定医
       日本心身医学会 認定医・認定指導医・同学会代議員
       日本総合病院精神医学会認定医


心療内科・心身医学に助けられた自分を振り返る。

                             うえはた心療クリニック院長  上畠茂幸

九州大学医学部心療内科開講40周年記念誌道をつくり(平成14年11月刊)
に寄稿した文書を転載します。 
九大心療内科の同門会誌という仲間内での文集ですが、興味をもたれたかたはお読みください。 
  昭和41年、当時私は鹿児島の鶴丸高校の2年生でした。 鶴丸に講演にお見えになった金久先生から面白い話を聴いたのです。今思えば森田神経症などのお話でしたが、その時以来私は心理学・精神医学に興味をもつようになりました。43年に私は九大の教育学部に入学、教育心理学科に進み前田重治先生(当時は教育学部助教授) と池田数好先生(当時は教育学部教授で同時に九大総長)の講義を楽しみながら受講しました。前田先生の講義の中で 「心療内科」 誕生の意味やその臨床現場の話を聴き、 自分もいつかは心療内科をはじめとする臨床精神医学の中で仕事をしてみたいものだと夢見ることもありましたが、現実の私は教育学部を卒業するための単位を揃えることも難しいような学生でもありました。 47年に卒業はしたものの就職先も決まっていませんでしたので、いったん東京にあがりその後の数年間、東京やイギリスなどでフリーターの生活を送りました。いろんなことが有りましたが前田先生・池田先生の講義のおかげで自分や自分と周りとの関係を幾らか客観的にみる訓練ができていたのでしょう、大きくは荒れっぱなしにも沈みっぱなしにもならず、5年程して昔の夢にもう一度挑戦してみようかという気力を持つことが出来、昭和53年に鹿大医学部に入学。59年の卒業時と同時に九大の心療内科に入局しました。入局してみると教育学部で同じクラスだった岡秀樹君が臨床心理士として活躍されてましたね。
  心療内科には7年いましたが、その間いろいろな体験をさせてもらいました。前田先生のお話以上の臨床の現場でした。入局3年目の昭和61年から私は同期の森田哲也先生と一緒に大分佐伯市の長門記念病院に赴任しました。そこでは慢性呼吸不全の患者さんの身体的治療と塵肺症をめぐる社会的な問題への対応などを長門宏院長先生から教わりました。長門記念病院には池見先生が指導されていた「セルフケア研究会」の大分支部がおかれていましたから、そこのお手伝いをすることで患者さんや保健婦さん達とのグループワークも少しは学びました。二ヶ月に1回程度おみえになる池見酉次郎先生の特別外来のゲシュライバーを務めたことも懐かしい思い出です。池見先生による理学的診察なかでも胸部の打診は見事なものでした。河野先生にも色々と指導やアドバイスをしていただきました。毎週見える楊先生による行動療法的カウンセリング、玉井先生・松林先生・深田先生による糖尿病・甲状腺の治療と研究テーマの見つけ方への執念、また夜の部の諸先生方の素顔。前の年に1年過ごした大学の病棟での研修よりも何倍も勉強になったような気がしています。翌年からは市立小倉病院(現北九州医療センター)の糖尿病センターや久留米の古賀病院などで内科臨床や救急医療を学びました。
 平成3年からは松木邦裕先生がおられる福間病院に入職しました。佐々木勇之進院長先生や松木先生に指導を受けながら精神病の患者さんの治療をしていると自分がかって心療内科外来で診ていた患者の中には精神病の方が少なからずおられたんだなあと思うことが多々ありました。福間病院には平成9年度から心療内科の中堅どころが精神科研修に来るようになりました。心療内科医と精神科医がそれぞれの守備範囲を踏まえながら協力しあえれば患者さんの利益になると思います。済生会福岡総合病院では土田治先生が中心となって両者の協力体制を築き上げようと懸命に動いています。私も済生会の非常勤精神科医という立場で協力していますが、もはや詳述するための紙面の余裕はありません。このあたりは土田先生が述べられると思います。
 私は福間病院で11年を過ごしましたが、52才になった今年「うえはた心療クリニック」を開業しました。標榜は内科・心療内科・精神科。臨床に何の経験の無い妻を受付に座らせての夫婦二人でのクリニック。この施設規模で出来る範囲での「こころとからだの相談所」をやっていきたいと思っています。 
                                       ( 平成14年8月記 上畠茂幸 )